【二】本文について、設問に答えよ。
自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘った。真珠貝は大きな滑らかな縁の鋭い貝であった。土をすくうたびに、貝の裏に月の光が差してきらきらした。湿った土の匂いもした。穴はしばらくして掘れた。女をその中に入れた。そうして柔らかい土を、上からそっとかけた。かけるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。
①それから星の破片の落ちたのを拾ってきて、かろく土の上へ乗せた。星の破片は丸かった。長い間大空を落ちている間に、角が取れて滑らかになったんだろうと思った。抱き上げて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖かくなった。
自分は苔の上に座った。これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組みをして、丸い墓石を眺めていた。そのうちに、女の言ったとおり日が東から出た。大きな赤い日であった。それがまた女の言ったとおり、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちていった。一つと自分は勘定した。
問一 傍線部①と同様に、「自分」の女を大切にする思いがうかがえる行動を一文で探して、はじめと終わりの五字ずつを書け。
【解答例】
問一 そうして柔〜とかけた。
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2020.6.19にサイト「ことのは」を開設、高校国語(現代文、古文、漢文)のテスト問題やプリントを作成、まれに中学国語の教材も扱っています。リクエストがあればコメントかTwitterのDMまで!!