「能登殿の最期」「壇の浦の合戦」テスト問題〈3/3〉

【三】本文について、設問に答えよ。

新中納言、「①見るべきほどのことは見つ。②今は自害せん。」とて、めのと子の伊賀平内左衛門家長を召して、「いかに、約束は違ふまじきか。」とのたまへば、「子細にや及び候ふ。」と、中納言に鎧二領着せ奉り、わが身も鎧二領着て、手を取り組んで海へぞ入りにける。③これを見て、侍ども二十余人おくれ奉らじと、手に手を取り組んで、一所に沈みけり。その中に、越中次郎兵衛・上総五郎兵衛・悪七兵衛・飛驒四郎兵衛は、何としてか逃れたりけん、そこをもまた落ちにけり。④海上には赤旗、赤印投げ捨て、かなぐり捨てたりければ、竜田川の紅葉葉を嵐の吹き散らしたるがごとし。汀に寄する白波も、薄紅にぞなりにける。⑤主もなきむなしき舟は、潮に引かれ、風に従つて、いづくを指すともなく揺られ行くこそ悲しけれ。

問一 次の語句の読みを、ひらがな(現代仮名遣い)で書け。
①中納言 ②子細

問二 傍線部①とあるが、この言葉にはどのような思いが込められているか。(1)は五字程度(2)は漢字四字で答えよ。
( 1 )のありさまを、自分の目で確認したことを意味しており、この世に思い残すことはないという思い、そして、一門の隆盛と衰亡を目の当たりにし、( 2 )の理を悟った、ということ。

問三 傍線部②の現代語訳として、最も適切なものは次のうちどれか。
ア 今は自害する時だ。
イ 今は自害しないでおこう。
ウ 今は自害しよう。
エ 今は自害すべきでない。

問四 傍線部③が指示する内容を本文から四十字以内(句読点は字数に含まない)で探して、はじめと終わりの三字を書け。

問五 傍線部④・⑤から読み取れる仏教思想を漢字三字で書け。

問六 出典を答えよ。

「能登殿の最期」「壇の浦の合戦」テスト問題 解答例

 

 

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