【一】本文について、設問に答えよ。
①九月二十日のころ、ある人に誘はれたてまつりて、明くるまで②月見ありくことはべりしに、おぼし出づる所ありて、案内せさせて入りたまひぬ。荒れたる庭の露しげきに、わざとならぬ③にほひ、しめやかにうちかをりて、しのびたるけはひ、いとものあはれなり。
よきほどにて出でたまひぬれど、なほ事ざまの優におぼえて、物のかくれよりしばし見ゐたるに、妻戸をいま少し押し開けて、月見るけしきなり。やがて④かけこもらましかば、くちをしからまし。あとまで見る人ありとは、いかでか知らん。⑤かやうのことは、ただ朝夕の心づかひによるべし。その人、ほどなく失せにけりと聞きはべりし。
問一 傍線部①について、
(1)「九月」の読みをひらがな(現代仮名遣い)で答えなさい。
(2)「九月」の季節に該当するものとして最も適切なものを次から選べ。
ア 秋の盛り イ 晩秋 ウ 初冬 エ 冬の盛り
問二 傍線部②を現代語訳しなさい。
問三 傍線部③とあるが、何の「におひ」か。
問四 傍線部④を現代語訳しなさい。
問五 傍線部⑤あるが、「かやうのこと」の内容を過不足なく探して、はじめと終わりの三字ずつを書け。
問六 出典と作者を答えよ。
【解答例】
問一(1)ながつき
(2)イ
問二 月をながめて歩きまわることがございましたが
問三 香
問四 もし掛け金を掛けて部屋に引きこもったなら、残念なことだろうに。
問五 妻戸を…月見る
問六 徒然草、兼好法師
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2020.6.19にサイト「ことのは」を開設、高校国語(現代文、古文、漢文)のテスト問題やプリントを作成、まれに中学国語の教材も扱っています。リクエストがあればコメントかTwitterのDMまで!!