「顕雅の言ひ間違ひ」テスト問題




【一】本文について、設問に答えよ。

楊梅の大納言顕雅卿は、①若くよりいみじく言失をぞしたまひける
神無月のころ、ある宮腹に参りて、御簾の外にて、女房たちと物語せられけるに、時雨の③さとしければ、供なる雑色を呼びて、「車の降るに、時雨さし入れよ。」とのたまひけるを、「④車軸とかやにや、恐ろしや。」とて、御簾のうち、笑ひ合はれけり。
さて、ある女房の、「御言ひたがへ、常にありと聞こゆれば、まことにや、御祈りのあるぞや。」と言はれければ、「そのために、三尺のねずみを作り、供養せんと思ひはべり。」と言はれたりけり。折節、ねずみの、御簾のきはを走り通りけるを見て、観音に思ひまがへて、のたまひけるなり。「時雨さし入れよ。」にはまさりてをかしかりけり。

 

問一 次の語句の読みを、ひらがな(現代仮名遣い)で答えなさい。
①御簾 ②時雨 ③雑色 ④折節

問二 傍線部①とあるが、(1)係助詞を抜き出し、(2)結びの語を基本形で答えなさい。

問三 傍線部②について、
(1)「神無月」の読みを、ひらがな(現代仮名遣い)で答えなさい。
(2)何月のことか。また、季節を答えよ。

問四 傍線部③を現代語訳しなさい。

問五 傍線部④について、
(1)「にや」の直後に省略されている語句を補いなさい。
(2)「恐ろしや」には、どのような気持ちがこめられているのか。

問六 出典を答えなさい。

 




 

 

 

 

 

【解答例】

問一 ①みす ②しぐれ ③ぞうしき ④おりふし
問二 (1)ぞ (2)けり
問三 (1)かみなづき (2)十月、冬
問四 急に雨が降ってきたので
問五(1)あらむ
(2)人を馬鹿にする気持ち。
問六 十訓抄

 

 

 

 

 

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