【二】本文について、設問に答えよ。
富士の山を見れば、①五月のつごもりに、雪いと白う降れり。
②時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ
その山は、③ここにたとへば、比叡の山を二十ばかり重ね上げたらむほどして、なりは塩尻のやうになむありける。
なほ行き行きて、武蔵の国と下つ総の国との中に、いと大きなる河あり。それをすみだ河といふ。その河のほとりに群れゐて、思ひやれば、④限りなく遠くも来にけるかなとわび合へるに、渡し守、「はや舟に乗れ。日も暮れぬ。」と言ふに、乗りて渡らむとするに、みな人ものわびしくて、京に思ふ人なきにしもあらず。さる折しも、白き鳥の⑤嘴と脚と赤き、鴫の大きさなる、水の上に遊びつつ、魚を食ふ。京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。渡し守に問ひければ、「これなむ都鳥。」と言ふを聞きて、
名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
とよめりければ、舟こぞりて泣きにけり。
問一 傍線部①とあるが、いつか。最も適切なものを選び、記号で答えよ。
ア 五月のはじめ イ 五月の上旬
ウ 五月の中旬 エ 五月の月末
問二 傍線部②について、「富士の山」を見て感じたことが描写されている部分を探して、はじめと終わりの三字を抜き出せ。
問三 傍線部③「ここ」とはどこか。本文から抜き出せ。
問四 傍線部④とあるが、このように思った結果の原因として、九字と五字で本文から二つ抜き出せ。
問五 傍線部⑤の読みを、ひらがなで答えなさい。
問六 出典、文学ジャンル、作者を答えなさい。
【解答例】
問一 エ
問二 比叡の〜むほど
問三 京
問四 いと大きなる河あり・日も暮れぬ
問五 はしとあし
問六 伊勢物語、歌物語、在原業平
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2020.6.19にサイト「ことのは」を開設、高校国語(現代文、古文、漢文)のテスト問題やプリントを作成、まれに中学国語の教材も扱っています。リクエストがあればコメントかTwitterのDMまで!!