「芥川」テスト問題




 

【一】本文について、設問に答えよ。

昔、男ありけり。女の①え得まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを、からうじて盗み出でて、いと暗きに来けり。芥川といふ河を率て行きければ、草の上に置きたりける露を、「かれは何ぞ。」と②なむ男に問ひける。行く先多く、夜も更けにければ、鬼ある所とも知らで、神【 X 】いといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、あばらなる蔵に、女をば奥に押し入れて、男、弓・胡簶を負ひて戸口にをり。はや夜も明け③なむと思ひつつゐたりけるに、鬼、はや一口に食ひてけり。「あなや。」と言ひけれど、神鳴るさわぎに、え聞かざりけり。やうやう夜も明けゆくに、見れば、率て来し女もなし。足ずりをして泣けども、かひなし。
白玉か何ぞと人の問ひしとき【 Y 】と答へて消えなましものを

 

 

問一 傍線部①について
(1)「え」に呼応している語を抜き出せ。
(2)「得」の活用の行と種類、活用形を答えよ。さらに、読みをひらがな(現代仮名遣い)で書け。

問二 傍線部②・③「なむ」の、文法的意味として、適切なものをそれぞれ選び、記号で答えよ。

ア 強意の係助詞
イ 願望の終助詞
ウ 強意の助動詞+推量の助動詞
エ 禁止の副詞+婉曲の助動詞

問三 【 X 】に添加の副助詞を入れよ。

問四 傍線部④について
(1)【 Y 】に入る漢字一字を本文から抜き出せ。
(2)「なまし」を文法的に説明したものとして、最も適切なものを選び、記号で答えなさい。
 強意の助動詞+反実仮想の助動詞
 完了の助動詞+ためらいの意志の助動詞
 強意の助動詞+実現不可能な希望の助動詞
 完了の助動詞+打消当然の助動詞

(3)「消えなましものを」を現代語訳しなさい。
(4)「女」の身分が高かったことを表している語を歌中から抜き出せ。

問五 出典について
(1)出典を漢字で答えなさい。
(2)本文中に登場する「男」はこの作品の主人公となっている人物である。その人物の姓名を漢字で答えなさい。

 

 




 

 

 

 

 

 

 

【解答例】

問一(1)まじかり(2)ア行下二段活用、終止形、う
問二 ②ア ③イ
問三 さへ
問四(1)露(2)ウ(3)消えてしまったら良かったのになあ(4)白玉
問五(1)伊勢物語(2)在原業平

 

 

 

 

 

 

 

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