【一】本文について、設問に答えよ。
ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて的に向かふ。師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。のちの矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。わづかに二つの矢、師の前にて①一つをおろかにせんと思はんや。懈怠の心、②自ら知らずといへども、師③これを知る。この戒め、万事にわたるべし。
道を学する人、④夕べには朝あらんことを思ひ、朝には夕べあらんことを思ひて、重ねてねんごろに修せんことを期す。いはんや一刹那のうちにおいて、懈怠の心あることを知らんや。なんぞ、ただ今の一念において、⑤ただちにすることのはなはだかたき。
問一 次の語句の読みを、ひらがな(現代仮名遣い)で答えなさい。
1諸矢 2的
問二 傍線部①について
(1)「一つ」とは何を指すか。本文から抜き出せ。
(2)「おろかに」の対義語を本文から抜き出せ。
問三 傍線部②を現代語訳せよ。
問四 傍線部③が指し示す内容を答えよ。
問五 傍線部④とは、どういうことか。
問六 傍線部⑤とあるが、作者はどのようなことを痛嘆しているのか。
問七 出典を答えなさい。
【解答例】
問一 1もろや 2まと
問二(1)初めの矢
(2)ねんごろに
問三 自分では意識してないけれども
問四 初めの矢にはたらく無意識的な怠け心
問五 時間は十分にあると思うこと。
問六 刹那の決行が至難であること。
問七 徒然草
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2020.6.19にサイト「ことのは」を開設、高校国語(現代文、古文、漢文)のテスト問題やプリントを作成、まれに中学国語の教材も扱っています。リクエストがあればコメントかTwitterのDMまで!!