『夢十夜』【第六夜】1/3 テスト問題





 

【一】本文について、設問に答えよ。
運慶が護国寺の山門で仁王を刻んでいるという評判だから、散歩ながら行ってみると、自分より先にもう大勢集まって、しきりに①下馬評をやっていた。
山門の前五、六間の所には、大きな赤松があって、その幹が斜めに山門の甍を隠して、遠い青空まで伸びている。松の緑と朱塗りの門が互いに照り合って見事に見える。そのうえ松の位置がいい。門の左の端を目障りにならないように、斜に切っていって、上になるほど幅を広く屋根まで突き出しているのがなんとなく古風である。鎌倉時代とも思われる。
ところが見ているものは、みんな自分と同じく、明治の人間である。そのうちでも車夫がいちばん多い。哂待ちをして退屈だから立っているに相違ない。
「大きなもんだなあ。」と言っている。
「人間をこしらえるよりもよっぽど②骨が折れるだろう。」とも言っている。
そうかと思うと、「へえ仁王だね。今でも仁王を彫るのかね。へえそうかね。わっしゃまた仁王はみんな古いのばかりかと思ってた。」と言った男がある。
「どうも強そうですね。③なんだってぇますぜ。昔から誰が強いって、仁王ほど強い人ぁないって言いますぜ。なんでも日本武尊よりも強いんだってぇからね。」と話しかけた男もある。この男は尻をはしょって、帽子をかぶらずにいた。④よほど無教育な男と見える

 

 

問一 傍線部①と同意の言葉を本文から二字で抜き出せ。

問二 傍線部②と同じ意味の慣用句をひとつ答えなさい。

問三 傍線部③を共通語で言い換えなさい。

問四 傍線部④とあるが、なぜ「よほど無教育な男と見える」のか。説明しなさい。

 

 

 




 

 

 

 

 

 

 

【解答例】

問一 評判

問二 手がかかる

問三 こういうことだって聞いてますよ

問四 着物の尻をはしょり帽子もかぶらず、神話の人物と彫刻との違いもわからないで話しているから。

 

 

 




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