【三】本文について、設問に答えよ。
初めよりおしなべての上宮仕へし給ふべききはにはあらざりき。おぼえいとやむごとなく、上衆めかしけれど、わりなくまつはさせ給ふあまりに、さるべき御遊びの折々、何事にもゆゑあることのふしぶしには、まづまう上らせ給ふ、あるときには大殿籠り過ぐして、やがて候はせ給ひなど、あながちに御前去らずもてなさせ給ひしほどに、おのづから①軽き方にも見えしを、この皇子生まれ給ひてのちは、いと心ことに思ほしおきてたれば、坊にも、ようせずは、この皇子のゐ給ふべきなめりと、②一の皇子の女御はおぼし疑へり。人より先に参り給ひて、やむごとなき御思ひなべてならず、皇女たちなどもおはしませば、この御方の御いさめをのみぞ、なほわづらはしう、心苦しう思ひ聞こえさせ給ひける。
かしこき御かげをば頼み聞こえながら、おとしめ、疵を求め給ふ人は多く、わが身はか弱くものはかなきありさまにて、③なかなかなるもの思ひをぞし給ふ。御局は桐壺なり。
問一 本文には「桐壺の更衣」という人物が登場している。「桐壺」という呼び名の根拠になる一文を本文から抜き出しなさい。
問二 傍線部①とあるが、それはどのような人か。本文から十七字で抜き出しなさい。
問三 傍線部②とあるが、どのようなことを危惧したのか。
問四 傍線部③とあるが、具体的にどのような思いか。
問五(1)作品名と(2)作者を答えなさい。
【解答例】
問一 御局は桐壺なり。
問二 おしなべての上宮仕へし給ふべききは
問三 第二の皇子が皇太子になってしまうのではないかという危惧。
問四 かえって帝からのご寵愛を受けないほうが良いのではないかという気苦労。
問五(1)源氏物語(2)紫式部
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2020.6.19にサイト「ことのは」を開設、高校国語(現代文、古文、漢文)のテスト問題やプリントを作成、まれに中学国語の教材も扱っています。リクエストがあればコメントかTwitterのDMまで!!