【一】本文について、設問に答えよ。
仁和寺にある法師、年寄るまで、石清水を拝まざりければ、①心うくおぼえて、あるとき思ひ立ちて、ただひとり、徒歩より詣でけり。極楽寺、高良などを拝みて、②かばかりと心得て帰りにけり。さて、かたへの人に会ひて、「③年ごろ思ひつること、④果たしはべりぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、⑤参りたる人ごとに山へ登りしは、⑥何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず。」と【 A 】言ひける。
少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。
問一 次の語句の読みをひらがな(現代仮名遣い)で答えなさい。
①徒歩 ②本意 ③先達
問二 【 A 】に入るべき助詞を次から選べ。
ア こそ イ か ウ ぞ エ て
問三 傍線部①とあるが、どのように思われたのか。最も適当なものを次から選べ。
ア 見たく
イ 情けなく
ウ 心浮き立つように
エ 心もとなく
問四 傍線部②について、
(1)「か」が指示している内容を本文から抜き出しなさい。
(2)どういう気持ちか説明しなさい。
問五 傍線部③について、
(1)「年ごろ」の意味を答えなさい。
(2)具体的にはどういうことか答えなさい。
問六 傍線部④とあるが、
(1)何を「果たしはべりぬ」のか。説明しなさい。
(2)現代語訳として最も適当なものを、次から選べ。
ア 果たしなさった
イ 成し遂げました
ウ 果たしていません
エ お仕え申し上げた
問七 傍線部⑤について、人々が山へ登ったのはなぜか。その理由を説明せよ。
問八 傍線部⑥を現代語訳せよ。
問九 本文から得られる教訓を述べている一文を探して、初めの三字を抜き出しなさい。
問十 出典と作者を答えなさい。
【解答例】
問一 ①かち ②ほい ③せんだち
問二 ウ
問三 イ
問四(1)極楽寺、高良
(2)十分に満足した気持ち。
問五(1)長年
(2)石清水八幡宮に参拝すること。
問六 (1)石清水に参詣すること。
(2)イ
問七 山上にある石清水八幡宮の本社に参拝するため。
問八 何事があったのだろうか、私も行ってみたいと思ったが
問九 少しの
問十 徒然草 兼好法師
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2020.6.19にサイト「ことのは」を開設、高校国語(現代文、古文、漢文)のテスト問題やプリントを作成、まれに中学国語の教材も扱っています。リクエストがあればコメントかTwitterのDMまで!!