「須磨の秋」テスト問題〈1/3〉設問

【一】本文について、設問に答えよ。

須磨には、いとど心づくしの秋風に、海は少し遠けれど、行平の中納言の「関吹き越ゆる」と言ひ〈A〉けむ浦波、夜々は①げにいと近く聞こえて、またなくあはれなるものは、②かかる所の秋なり〈B〉けり
御前にいと人少なにて、うち休みわたれるに、独り目を覚まして、枕をそばだてて四方の嵐を聞き給ふに、波ただここもとに立ち来る心地して、涙落つともおぼえぬに③枕浮くばかりになりにけり。琴を少し搔き鳴らし給へるが、我ながらいとすごう聞こゆれば、弾きさし給ひて、
恋ひわびてなく音にまがふ浦波は思ふかたより風や吹く〈C〉らむ
とうたひ給へるに、人々④おどろきて、めでたうおぼゆるに忍ばれで、あいなう起きゐつつ、鼻を忍びやかにかみわたす。

 

問一 次の語句の読みを、ひらがな(現代仮名遣い)で答えよ。
①御前 ②四方

問二 〈A〉〜〈C〉の助動詞の意味を答えよ。

問三 傍線部①について、
(1)本文中での語意を答えよ。
(2)何に対して「げに」なのか。最も適切なものを選択肢から選び、記号で答えよ。
ア 夜は静かだからこそ、遠い海の波でも鮮明に聞こえてくるということ。
イ 物思いをする秋はもちろん、海も物思いを感じさせるということ。
ウ 行平の中納言が「関吹き越ゆる」と詠んだとおりだということ。
エ ここで歌を詠むと、確実に良い作品ができるということ。

問四 傍線部②はどこを指すか。本文から二字で抜き出せ。

問五 傍線部③とあるが、どのような様子を示しているか。
ア 光源氏が枕が浮いてしまうぐらい涙を流している様子。
イ 光源氏の枕が涙で浮いてしまうぐらい軽い様子。
ウ 光源氏の部屋は家来たちに密閉されているという様子。
エ 光源氏が住んでいる部屋は綺麗だという様子。

問六 Xの歌について、
(1)何と何が「まがふ」のか答えよ。
(2)思ふかたとはどこを指すか。漢字一字で答えよ。

問七 傍線部④を現代語訳したものとして、適切なものは次のうちどれか。
ア 驚いて
イ 反抗して
ウ 涙を流して
エ 目を覚まして

問八 本文の出典と作者を漢字で答えよ。

◆答えはこちら!!

「須磨の秋」テスト問題〈1/3〉解答例

 

 

 

 

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